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消灯前のひととき…

花火大会の日、
僕たち煙り仲間は一番後ろの壁際のベンチに陣取り、
暗い屋上に集まったパジャマ姿の見物客は
いまやおそしとポートタワーの方を向いて
花火が上がるのを待っていた。

花火が上がり、大音量で流した"I Was Born To Love You"に
反応した人がいた…
ふだん屋上に上がってこない
まったく知らない病院着の30代くらいの青年が振り向いて、
僕の方に向かってきて、
「これ誰のですか!」
「ぼ、ぼくのだけど…」
「クィーンいいですよね~!クィーン好きなんですか!!」
「うっ、うん…」
別にクィーンのファンでもなく、
病院で聴くのにいろんなバンドのベスト盤を
持ってきてたうちの一枚だっただけなのだが…
クィーンのいろんなエピソードを話しかけてくるが、
そんなマニアックなエピソードを知らない僕は
生返事であいづち\(^^:;)

花火が終わって、しばらく煙り仲間で一服しながら、
翌日以降も夜8時にラジカセを持ってくるということになって、
みんなベッドに戻っていった。
翌日からたばこを吸わないクィーンオタクの青年が
屋上の煙り仲間に加わったのはいうまでもない…



翌日夕方、面会に来てくれた娘たちを7時に玄関で見送って、
まだ8時まで1時間あるので、
一服しに屋上に上がると、
クィーンオタクの青年Aべくんを含めて煙り仲間が
全員勢揃いしている!
みんなが手ぶらで上がってきた僕を不思議そうに見る…
内心『8時じゃなかったっけ???』と思いながら
「ラジカセ持ってきた方がよさそうだね…」
そのまま乗ってきたエレベーターに乗って、
部屋に引き返した。

この日はA山さんのリクエストでイーグルスをかけた…
例によってA山さんはラジカセの正面に座り込み、
リズムに合わせてドラムを叩く仕草をしながら聴き入っている…
A山さんは若い頃、フォークシンガーで
デビュー寸前までいったという…

音楽があるだけで6時の夕食後から
9時の消灯までの時間はあっという間に過ぎた…
9時、みんなでエレベーターに乗る。
煙り仲間は僕だけ3階でみんな5階の整形外科病棟…
5階でエレベーターの扉が開くと
そこには目を吊りあげた夜勤の看護婦さんが仁王立ちで立っていた…

その晩、5階のみんなが大目玉を喰らったのは言うまでもない…
by par72_hdcp36 | 2007-08-09 02:23 | Life | Comments(0)
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